day/dreamer

敬愛する古明地洋哉さんをはじめ、音楽や芸術について書き綴っていきたいと思っています

(you're)lucky star

高速を乗り継いで往復12時間、トータル730kmの道のりを経て、僕は行ってきました。
阿佐ヶ谷harnessでの古明地洋哉ワンマンライブ。
うれしかった…。
一か月ほど、ずっと「9月22日(土)」を意識しながら過ごしてきて、おぼろな待ち遠しさが胸にあるのが当たり前になっていたものだから、当日が来たのが何だか信じられないような感覚さえあった。



朝の10時半に家を出て、天気のいい高速道路を東京へと向かった。
東京の街を、初めて車で走った。
安くて駅に近いのだけがとりえの宿に車を止めて、電車で阿佐ヶ谷に向かった。
中央線に乗るのは9年ぶりかな。



古明地さんのワンマンというと、僕にとっては2004年4月に大阪十三のライブハウスに見に行ったのが、最初で最後の経験だった。近藤智洋さんら、複数のアーティストとのツアーには、何度も参加しているけれど。(あの時買った古明地さんの詩集「結び目」は、どこへ行ってしまったのだろう)。



阿佐ヶ谷はまだ暑かった。
夕方の風情ある曇り空に架かる線路を、まばゆく中央線が走り抜けていく。
雑然と活気のある商店街を少し奥まで行くと、harnessはあった。
ファミレスの深夜バイトをしていたころ、毎日自転車で通っていた道のそばだった。
店内から、リハーサルの歌声が聞こえてくる。
餃子の王将」で餃子と焼きそばを食べて、再び店の前に行くと、すでに何人もの人が待っていた。



harnessの中は、もう7年もCDをリリースしていないアーティストを待つ人々でごった返していた。小さなライブハウスとはいえ、あっという間に定員を満たしてキャンセル待ちを出してしまうほど、古明地洋哉という人は求められているんだ、という感慨が、何度も胸に起こった。



開演の19時を少し過ぎて、古明地さんが姿を現した。
始まるんだ…。
僕は唾を飲み込んだ。
チューニングの音もメロディアスに響く室内。
ビールの酔いが心地よく回ってきていた。
                              (つづく)